皆さん中学生(?)ぐらいの頃に覚えましたよね、平家物語の書き出しの一説。
『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。驕れる者も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もついにはほろびぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。』ぐらいまでは今でも覚えてたりしますね。
いろんな物が登場してますが
当時はなんとなく音で覚えていた気がしますが、「祇園精舎」も「沙羅双樹」も実際に見たことはありませんでした。
祇園精舎はインドにあるのでなかなか厳しいですが、沙羅双樹ってどんな感じの花なんでしょうか。
沙羅の花が咲く寺
兵庫県神崎郡にある應聖寺(おうしょうじ)というところは、この沙羅の花で有名なお寺のようです。関西花の寺二十五箇所の第八番に選ばれるお寺で、境内には沙羅の花だけではなく、睡蓮なんかもありました。

結構田舎の方にあるのですが、ワタクシが訪れた際もそこそこの人が観光に訪れていました。近くには「あじさいの小道」という川沿いの道にあじさいが咲いている場所なんかもあり、この季節は気持ちよく散策できるのかもしれません。

ちなみに、なぜ「沙羅双樹の花の色」が「盛者必衰の理」を表すのでしょうか?
ワタクシは詳しいことは知りませんが、ネット情報なんかを見ると、沙羅の花が、朝に咲き夕方には落ちる「一日花」であることから、栄えた者であってもすぐに衰えてしまうことを連想させる、ということのようです。

上の写真が沙羅の花になります。
白く大きな花が特徴ですね。季節柄、葉の緑も濃いので、コントラストが美しいですね。

さて、実は今回の記事で、この花について途中から表記を変えていたのにお気づきでしょうか。
冒頭では「沙羅双樹」と記載していましたが、途中からは「沙羅の花」と記載するようにしました。
日本の寺社において「沙羅の花」として咲いている花は実は「夏椿」という木であることが多いそうです。上の写真でも確かに花の形はツバキに非常によく似ています。実際の「沙羅双樹」というのは寒さに弱く、日本にはあまりないようですね。
いずれにせよ、近頃四季の変わり目が分かりづらくなってきましたが、こういった花で季節を感じることが出来るのは日本ならではではないでしょうか。

気がつけば梅雨も終わり夏に向かっています。
「季節の風物詩」というものを大切にしていきたいですね。
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