フランス・オーベルニュ地方で作られる青カビチーズです。
Fourme d’Ambertでフルムダンベール。フランス語なので”フフムダンベーフ”って感じかも。
Sony α200 × DT30mm F2.8 Macro SAM
フルムダンベールのお話の前に”AOC”について。”Appellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)”の略で、フランスに詳しい方はご存知かもしれませんが、フランスにおける農業製品の「品質保証」を表しています。
農業国であるフランスは農業製品の品質には非常に厳しく、製造方法や原材料の産地や割合についての規定が細かく決められており、それを満たさないとこの”AOC”を商品につけることはできません。
今回のようなチーズに限って言うと、搾乳した牛やヤギの放牧場所や熟成させた場所、発酵に使用した菌や温度も規定されています。
そこで、今回の「フルムダンベールAOC」です。
パッと見た感じだとキッシュみたい
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青カビタイプのチーズ、通称ブルーチーズです。日本ではゴルゴンゾーラチーズが非常に有名ですが、このフルムダンベールやロックフォールもとても有名なチーズです。余談ですが、先ほどの「AOC」を最初に取得したのがロックフォールチーズなんです。
ブルーチーズはその香りや風味がきついことから敬遠する方も多いかもしれません。ワタクシは以前からブルーチーズも結構好きで、食べたりしていたので抵抗はありませんが。
切り分けてみました。
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このフルムダンベールはブルーチーズの中では比較的まろやかなので、これからブルーチーズに挑戦しようと思っている人にもオススメです。フランスでは「高貴なブルーチーズ」とも呼ばれたりするようですが、実際口に入れてみると、ブルーチーズの香りはあるものの、口当たりはとても滑らかでクリームチーズのようです。塩気はそこそこありますので、一気に大量にはたべれませんが、ワインとともに少しずつ口の中で溶かしながら食べると最高です。
さて、ここでチーズに関する豆知識です。以前に紹介したオルトリネのような白カビタイプと今回の青カビタイプって同じカビなのに、見た目がまったく違うと思いませんか?ただ、色が違うだけじゃないでしょ?
その理由はそれぞれのカビの特製によるのです。
白カビタイプに使用されている菌は酸素を嫌う性質があるんです。なので、チーズを発酵させる際は周りに菌を吹き付けることで、菌が自分で酸素のない内側に潜ろうとするために、内側に向かって発酵が進みます。だから白カビタイプは外側の方が内側よりも発酵が進んでいるため、少し固くしまった感じなんです。
一方、青カビタイプに使用されている菌は酸素を好む種類なんです。そこで今度は菌を内側に混ぜ込んで発酵させると、酸素を求めて外側に向かって発酵が進むというわけなんです。
だから見た目(外にカビがあるか内側にカビがあるか)がかなり違うんです。また青カビタイプの場合、外側の方があとで発酵するために外観はベタベタした感じになっています。そこで、定期的にクッキングペーパーなどで周りをふき取ってやると長持ちするそうです。
というわけで(どんなわけだ)、このフルムダンベールは青カビタイプの中でもまろやかでありつつ、しっかりと青カビの香りも楽しめるので、ぜひ一度ためしてみてください。
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